福祉政治の理論とアメリカの社会的内実-"いまあるような福祉の終焉"の再検討-
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
デモクラシーや市場経済について、世界各国にひとつのモデルを提供してきたアメリカ合衆国だが、福祉国家に関しては様々な問題点を露呈している。公的皆保険の欠如、社会的扶助の受給者に対するスティグマ(焙印)、資産状況を反映する福祉供給の格差などである。世界で最も豊かなアメリカのなかに想像を絶する貧困と格差が存在する現実は「もうひとつのアメリカ」として考察の対象とされてきた。その鍵を握るのは福祉レジームの特異性であると考える。本論では、福祉政治の主要な理論として、パワーリソース理論、新制度論、言説理論を紹介し、これらの枠組みがアメリカの社会的内実を理解する上でどこまで有効であるのか検討する。国民皆保険をめぐるアメリカ政治のジレンマや、"いまあるような福祉の終焉"と呼ばれるクリントン改革の帰結を分析することによって、福祉をめぐるアメリカ政治の問題状況を明らかにしたい。
著者
関連論文
- ヒスパニック系移民と現代アメリカ政治:「移民のいない日」(2006年5月1日)の衝撃
- ソーシャル・ユニオニズムと現代アメリカ政治 : ヒスパニック系移民の動向を中心に
- 福祉政治の理論とアメリカの社会的内実-"いまあるような福祉の終焉"の再検討-
- 福祉政治の理論とアメリカの社会的内実--"いまあるような福祉の終焉"の再検討
- 福祉政治の理論とアメリカの社会的内実-"いまあるような福祉の終焉"の再検討-
- 【論文】アメリカ民主党の支持基盤とその変容:エスニック・マイノリティー、労働組合、南部問題の高錯
- 【論文】米国政治における分割政府時代の中間選挙ー一九九四年と二〇〇六年の比較を中心にー
- 福祉をめぐる新しい政治の多様性 : ポール・ピアソンを中心に
- ワークフェアをめぐる逆説
- 【論文】ワークフェアをめぐる逆説
- 交錯する2 つの潮流-アメリカ政治における人口構成の変化とバックラッシュ-