弘法大師伝絵巻考: 諸本の分類と概要
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概要
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弘法大師空海の伝記は、歴史的な事実だけでなく、潤色された数多くの説話伝承に彩られながら、後世、次第に膨張して多彩な展開を遂げる。その絵画化の現存最古例は、保延二年(一=二六)制作の旧永久寺真言堂障子絵に見られるが、これは「真言八祖行状図」の中の一図として、空海伝の代表的な事蹟である「秘鍵開題」と「高野尋入」にまつわる数場面を描いたものにすぎない。これに対し、誕生から入定まで、さらには、それ以降の事蹟をも含む総合的な伝記絵が登場するのは、鎌倉時代も中頃に至ってからのことと推定されている。それは、ちょうど新仏教、旧仏教ともに高僧伝絵が盛行し始める時期に一致しており、弘法大師についても、こうした機運に乗じて伝記絵制作が行われたのであろうことを推測させる。
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