医事紛争の要因としての医師・患者コミュニケーションの定量的評価
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概要
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近年, 我が国では医事訴訟の件数が増え続け, 2003年には約1100件の訴訟が提起された. しかし, 訴訟にまで至らない紛争は訴訟の約30倍と言われているので, 同年には約33, 000件の医事紛争が発生していたと推測される. 今日, 医事紛争の未然防止は喫緊の課題となっている. 医事紛争の要因に関する研究は, 米国で1980年の後半から始められ, 医事紛争の主な原因は医療の質ではなく, 医師と患者間の会話や関係性(以下, 医師・患者コミュニケーション)であることが明らかになってきた. 筆者は医師・患者コミュニケーションと医事紛争の関係, 特に, 医師・患者コミュニケーションの定量的な評価方法に関心を持ち, 実証研究のなかで独自の評価方法を試みてきた. 本稿では医事紛争の関連要因に関する研究で用いられてきた医師・患者コミュニケーションの評価方法と, それらの方法を用いて得られた知見について紹介したい.
- 福岡医学会,Fukuoka Medical Associationの論文
- 2006-11-25
著者
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