レジオネラの細菌学と感染症
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概要
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レジオネラ属菌はグラム陰性の通性細胞内寄生菌でヒトに急性肺炎を引き起こす. 病原微生物検出情報によると, 2002年1月より2004年12月までの3年間でレジオネラ症患者は471名であり, 平均すると1年間に約150名の患者が発生していることになる. 2005年4月現在で, レジオネラ属菌は50菌種が正式に命名されている. しかし, レジオネラ症患者から分離される菌種の90%以上はLegionella pneumophilaで, その8割以上を血清群1に属する菌が占めている. そのため多くの研究がL.pneumophilaを使用して行われてきた. 本菌が病原性を発揮するうえで最も重要な性質は, 生体防御の第一線で働くマクロファージの殺菌に抵抗して増殖する細胞内増殖能であることが明らかとなった. 本稿では, レジオネラの細菌学と生態, マクロファージ内増殖能と病原性, レジオネラに対する生体防御, レジオネラ感染の臨床(診断,予防,治療)についてレビューしたい.
- 福岡医学会,Fukuoka Medical Associationの論文
- 2006-07-25
著者
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