大腿骨頚部骨折の術後合併症としての転子下骨折 -その原因と対策-
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概要
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大腿骨頚部骨折の骨接合術後の合併症としての転子下骨折について,その原因と対策について調査した。調査方法として,骨モデルに頚部骨折を作成し,Hansson pin system 2本の固定とcannulated cancellous hip screw 3本(近位2本,遠位1本の▽型と,近位1本,遠位2本の△型の2種)の固定を行い,1000N の負荷をかけ,転子下部の歪みゲージの値から応力を求めた。いずれの固定法も転子下部に15~20MPa の応力がみとめられ,最大20.3MPa であった。この値は,歩行負荷でも粗鬆化した大腿骨の疲労限度を超える危険性を示唆するものである。△CCHS は転子下を横断するように4ヵ所に応力増加点があり,避けるべき固定法と思われた。特に初回頚部骨折が脆弱性骨折の場合は術後転子下骨折の危険があり,初めからプレート付のhip screw の使用を考慮すべきと考える。