似て非なる「アダム・スミスの娘たち」 - マルティノー著『経済学実例集』にみるマーセットの影響 -
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概要
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本研究は科研費(「19世紀英国におけるジェイン・マーセットの経済学大衆化への貢献とその意義」, 研究代表者 高木成美, 課題番号 20730141)の助成を受けたものである。本稿では経済学普及者としてのジェイン・マーセット(1769-1858)が, 彼女の後続者としてしばしば見なされるハリエット・マルティノー(1802-1876)に与えた影響を, 両作家のそれぞれの代表作を比較しながら考察している。 マーセットに関してはマルティノー自身が影響を受けたことを認めている『経済学対話』と『ジョン・ホプキンズ」を, また,マルティノーに関しては全9巻25話に及ぶ『経済学実例集」の全体の構成と, その中の特に一話を取り出して, 物語内容と特に対話形式を採用している部分についてマーセットの作品との相違点と類似点をそれぞれ指摘し, それぞれの作品内における経済学の位置づけと執筆者としてとった立場の違いを明らかにしている。 (英文) It is often said that Jane Marcet, well known as the first woman economics popularizer in England, had great influence on her follower, Harriet Martineau's main work, Illustrations of Political Economy. This paper examines differences and similarities found in the form and contents of the two writers' works, and points out how the writers treated "political economy" in their own particular ways, thereby placing their works in different genres.
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