アドリアマイシン耐性細胞の酸素呼吸
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概要
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Adriamycin-resistant cells of Ehrlich ascites tumor cells were established in our laboratory. Using electron microscope, the area of mitochondria (MT) per cytoplasm of ADR-resistant cells were measured with planimeter. The values of wild-type cells, 1μg/ml ADR-resistant cells and 10μg/ml ADR-resistant cells were 39.3, 51.8 and 57.7 μ(2) per 1,000 μ(2) of cytoplasm, respectively. Oxygen consumption of 1 μg/ml ADR-resistant cells and 10 μg/ml ADR-resistant cells were 1.45-fold and 1.49-fold compared to that of wild-type cells, respectively. These results indicate that ADR-resistant cells require more energy to work efflux pump than wild-type cells.エールリッヒ腹水癌細胞を用いアドリアマイシンに対する耐性細胞(ADR耐性細胞)を樹立した。電子顕微鏡を用い撮影写真から細胞質当たりのミトコンドリア(MT)の割合を面積比で求めた。親株に比較して1μg/ml ADR耐性細胞では1.32倍、10μg/ml ADR耐性細胞では1.47倍であった。これらの細胞の呼吸を測定した。耐性細胞の内発呼吸は親株に比較して増加していた。1μg/ml ADR耐性細胞では1.45倍、10μg/ml ADR耐性細胞では1.49倍であり、MTの増加量とほぼ同じ割合であった。これらのことから、細胞が耐性になるとエネルギー消費が高まるために細胞内MTが増加し、その結果呼吸(酸素消費)が増加することが推察された。
- 1995-01-31
著者
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