呼吸器疾患の温泉療法-25年間の入院症例2762例を対象に-
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概要
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Analysis of 2762 patients with respiratory diseaseadmitted at Misasa Medical Center for the last 25 years from 1982 to 2006 was performed every five years. Of all patients with respiratory disease, 2230 (80.7%) patients had asthma and chronic obstructive pulmonary disease (COPD).1. Of 2230 patients showing obstructive ventilatory dysfunction, 1578 (70.8%) patients had asthma. The frequency of asthma in all patients with respiratory disease was 53.8% for the first 5 years from 1982, 71.7% for the second 5 years, 73.6% for the third 5 years, 53.9% for the fourth 5 years and 42.5% for the fifth 5 years.2. The frequency of steroid-dependent intractableasthma (SDIA) in asthmatic patients was 68.4% for the first 5 years from 1982, 41.3% for the second 5 years, 33.9% for the third 5 years, 29.0% for the fourth 5 years and 24.1% for the fifth 5 years. The frequency of patientswith SDIA showed a tendency to decrease in recent years. The frequency of patients with pulmonary emphysema in those with COPD was 19.2% for the first 5 years from 1982, 20.0%for the second 5 years, 40.2% for the third 5 years, 76.7% for the fourth 5 years and 78.9% for the fifth 5 years, and tended to increase. The frequency of patients over age 60 was 30.1% for the first 5 years, and showed a tendency to increase, and 68.0% for the fourth 5 years and85.1% for the fifth 5 years. 3. The frequency of patients from distant areas outside Tottori prefecture was almost the same as that inside Tottori prefecture. The number of patients from Okayama, Osaka, Hiroshima, Hyogo, Tokyo,Ehime, Yamaguchi, Kyoto, and Kanagawa was larger than the number from the other distant areas.1982年から2006年までの25年間に当医療センターで入院加療した2762例を対象に5年毎にその年次推移を検討した。その内訳は,気管支喘息1578例(57.1%),COPD652例(23.6%),その他532例(19.3%) であった。1. 気管支喘息は, 第1期(1982-1986年) の5年間では平均11.4例/年であったが, 第4期(1997-2001年) では平均93.0例/年と初期と比べ8.1倍の増加がみられた。また, 第5期 (2002-2006年) では70.4例/年と6.2倍であった。その内のステロイド依存性重症難治性喘息(SDIA;steroid-dependent intractable asthma)の頻度は初期の68.4%から第4期では29.0%,第5期24.1%にまで低下する傾向を示した。2.COPD症例は, 第1期では平均5.2例/年から第4期には45.4例/年へと8.7倍の, また第5期では47.4例/年へと9.1倍の増加がみられた。また, その中の肺気腫が占める割合は初期の19.2%から第4期では76.7%, 第5期では78.9%と明らかな増加傾向を示した。3. 気管支喘息およびCOPD症例の年齢別検討では, 60歳以上の症例の頻度は第1期では30.1%であったが, 第4期では68.0%, そして第5期では85.1%と, 年々その頻度は高くなっていく傾向が見られた。即ち, 最近25年間の年次推移からは, 温泉療法を必要とする呼吸器疾患患者が増加しつつあること, そしてその年齢は年々高くなる傾向にあることが示唆された。
- 2008-03-01
著者
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