トラクタ作業の操縦量について-2-トラクタ定常円旋回における保舵力
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概要
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トラクタ旋回において,オペレータが必要とする保舵力の特性を明らかにするために,アスファルト路および圃場を用い,ブレーキを使用しない通常旋回とブレーキを使用した制動旋回を定常円旋回法によって実験し,次のような結果をえた. トラクタの通常旋回の場合 1.旋回半径が小さくなるほど,重心および前輪の横すべり角は内すべりの方向に増加し,保舵力も漸増する. 1.旋回速度が大きくなると保舵力は増加し,また求心加速度の増加に比例して保舵力は増す. 3.オペレータが保舵のために必要とする仕事量(=平均保舵力×作業時間)は,旋回半径の増大とともに漸増するが,とくに急旋回時に保舵力が大きくなるトラクタでは旋回半径の増加とともに漸減することがある. トラクタの制動旋回の場合 4.旋回半径比(=制動旋回半径/通常旋回半径)は通常旋回半径が小さくなるほど大きい値となり,制動により急旋回しようとする効果は少なくなる. 5.通常旋回における保舵力は,通常に外向きに働くのに対して,制動旋回の保舵力は外向きに働く力が軽減されるか,逆に内向きの力として働く. この保舵力の大きさは旋回半径,旋回速度に影響される. 6.オペレータの仕事量を保舵力および踏力による仕事量の和として評価するものとすれば,保舵による仕事量は通常旋回より軽減されるか,または逆方向の仕事量となって増大するが,踏力による仕事量は保舵に要する仕事量よりはるかに大きいことから,常に制動旋回の方が通常旋回の場合よりはるかに大きくなるので,オペレータの仕事量の軽減には通常旋回によるのが望ましい。
- 岡山大学農学部の論文
岡山大学農学部 | 論文
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