球根類の根の再生について (第2報)アイリスとスイセンの場合
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
球根類の中,アイリスと水仙とについて,植付け後の根を1~3回(アイリス),3~4回(水仙)剪去して根部からの再発根状態および開花までの生育状況を知るために1961~1962年に実験をおこなった.実験開始日は1961年の9月21日(アイリス)と,9月21日および11月20日(水仙)で,開花は翌1962年の5月(アイリス)と,4月(水仙)になった.実験の方法は,両種とも剪根する直前まではバーキュライト内に球を埋め,アイリスは剪根後直ちに培養土を盛った鉢内に定植したが,水仙は腐敗をさけるため最後までバーミキュライト内においた.(1)剪根後発生した根数は両種とも切断回数の多いほど少なくなったが,根長ではかならずしも減少しなかった.(2)開花はアイリスでは全部に見られたが,水仙では若干不開花株を生じた.開花日は両種ともほとんど差がなく,アイスで5月20日前後,水仙で4月6~7日であった.(3)両種とも一度切られた後に発生した新根は,切られた根からの再生ではなく,すべて球根内部に残っていた根源体から発生したもののようであった.以上の実験からみて,球根類のうち,既に報告したグラジオラス,フリージアをはじめ,アイリス,スイセンなどでは,発根の初期に根が1~5回障害をうけたとしても,その後の栽培条件が適切であれば開花株にまで生育せしめることはさほど困難ではないようである。
- 岡山大学農学部の論文
岡山大学農学部 | 論文
- 果物の非破壊品質評価
- 枯損マツに寄生する昆虫群集の羽化
- ホウレンソウ雌性間性株における突然変異誘発ならびに低シュウ酸個体の選抜
- 変化する塩ストレス条件下における湛水の電気伝導度とイネの乾物生産低下の関係
- 塩条件下で発生するイネ(Oryza sativa L.) 高節位分げつの成長とナトリウム蓄積