<原著>マウスヘルペス性角膜炎の再活性化抑制法の検討
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概要
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単純へルペスウイルス1型(HSV-1)によるへルペス性角膜炎は,しばしば再発を繰り返し,角膜混濁,視力低下,社会的失明となる場合がある.アシクロビル内服による再活性化抑制効果を検討した報告があるが,臨床的に充分な抑制率ではなかった.今回の研究では,マウスへルペス性角膜炎モデルを用いて,アスコルビン酸(AsA),亜鉛(Zn),アデノシンモノフォスフェート(AMP),ゲルダナマイシン(GM)のHSV-1再活性化抑制効果を検討した.マウス角膜にHSV-1を感染させ, AsA内服群, Zn内服群,これらのコントロールとして生理食塩水(生食)内服群, AMP筋肉内注射(筋注)群,このコントロールとして生食筋注群, GM腹腔内注射(腹注)群,このコントロールとしてジメチルスルホキシド腹注群,計7群に分類し,潜伏感染成立後25日目より各薬剤を投与した.免疫抑制薬と熱ストレスを用いて再活性化し,マウス眼球と三叉神経節を採取し, Plaque AssayとReal-time PCR法を用いて検討した.Plaque Assayによる検討で, GM腹注群は,三叉神経節における陽性サンプル数に有意な減少を認め, Real-time PCRでは, AMP筋注群三叉神経節におけるウイルスDNA検出コピー数に有意な減少を認めた.以上よりGMとAMPは,マウス潜伏感染モデルにおいて, HSV-1再活性化抑制効果を示すと考えられた.
著者
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