ヘパリンで受精能獲得したヒツジ精子の体外受精後の胚発生
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概要
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凍結融解精子を用いたヒツジ体外受精系において、精子受精能獲得処理の際のヘパリンの添加が、受精後の胚の発生に対してどのような影響をおよぼすのかを検討した。凍結融解精子は融解後ヘパリン添加/無添加のBO 液で希釈・洗浄され、1時間の炭酸ガス培養器内での培養の後、体外成熟されたヒツジ卵子へ授精された。授精後23時間で卵子を裸化し、さらに7日間顆粒膜細胞と共培養した。共培養中、授精後48時間目に卵割の状況を、授精後8日目に胚盤胞期胚への発育の状況をそれぞれ観察した。授精後48時間目における卵割の状況は、精子受精能獲得処理の際のヘパリンの添加の有無により影響を受けなかった。しかし、授精後8 日目での胚盤胞期胚への発育は、精子をヘパリンを添加して受精能獲得した区では全卵割卵子中14%のものが発育したのに対して、精子をヘパリンを添加せずに受精能獲得した区では胚盤胞期胚へ発育した胚はなかった。以上の結果より、このヒツジの体外受精系において、凍結融解精子の受精能獲得時のヘパリンの添加はその後の胚の発生に有効であることが示された。
- 近畿大学先端技術総合研究所,キンキ ダイガク センタンギジュツ ソウゴウ ケンキュウショ,Kinki daigaku sentangijutsu sogo kenkyushoの論文
近畿大学先端技術総合研究所,キンキ ダイガク センタンギジュツ ソウゴウ ケンキュウショ,Kinki daigaku sentangijutsu sogo kenkyusho | 論文
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