尿路外傷の臨床的観察
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1)腎外傷において,受傷時DIPにて,腎盂像の描出あるものは,軽度~中等度の損傷と考え,保存的に治療をおこない,腎盂像の描出のないものは高度の損傷と考え,動脈造影をおこない,その損傷の程度にあわせた手術をおこなった.2)受傷時DIPにて腎盂像の描出良好のものでも,再出血を繰りかえすもの,血尿の持続するものは,高度の損傷へ進展する可能性があるため注意深い観察が必要である.3)1例の尿管外傷は,一般に言われているごとく,特徴のない臨床症状のため診断が遅れ,腎摘をせざるをえなかった.4)膀胱外傷では,腹膜内破裂に対し閉鎖術をおこない,腹膜外破裂に対しては,可及的に,バルン留置のみとし,裂孔の大きいものに対し,閉鎖術をおこなった.5)前部尿道損傷では,バルン挿入可能例はそのまま留置し,不能例に尿道端々吻合をおこなった.後部尿道損傷では,バルン挿入不能例に膀胱瘻造設し3ヵ月後に,内視尿道切開術(安田法)をおこなうことを原則としたSince 1968, we experienced 65 cases of urinary tract injury. These include a rare case of traumatic renal artery thrombosis which was later followed by renovascular hypertension, a rare case of complete ureteral disruption, and 2 cases of renal injury which were first treated conservatively but were nephrectomized later because of rebleeding. These cases are reported and discussion is made about the relationship between the clinical findings and the indication of nephrectomy. We used endoscopic management (Yasuda method) in the cases of complete disruption of posterior urethra accompanied by pelvic fracture and obtained good results.
著者
関連論文
- 9.Inverted papillomaの5例(第714回千葉医学会例会・第42回千葉泌尿器科集談会)
- 女子反復膀胱炎について : 第5報 いわゆる Urethral Syndrome について
- 5.悪性腫瘍による腎後性腎不全の予後について(第691回 千葉医学会例会・第40回 千葉泌尿器科集談会)
- 4.腎血管筋脂肪腫の3例(第691回 千葉医学会例会・第40回 千葉泌尿器科集談会)
- 1.慢性透析患者に発生した腎癌の2例(第691回 千葉医学会例会・第40回 千葉泌尿器科集談会)
- 尿路外傷の臨床的観察 : 第48回東部連合総会
- 腎細胞癌の腫瘍側因子と予後について
- 検診により指摘された血尿について
- 非淋菌性尿道炎の臨床的検討
- 石灰化を伴った多房性腎嚢胞の1例(第433回東京地方会)
- 化膿性単純性腎嚢胞の1例(第431回東京地方会)
- 8.当院における血尿疾患について(第704回千葉医学会例会・第41回千葉泌尿器科集談会・第1回千葉県医師会泌尿器科医会学術集会)
- 慢性透析患者に発生した腎細胞癌の2例
- 尿路外傷の臨床的観察