膿尿・細菌尿検出試験紙の有用性について
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概要
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外来患者の随時尿を中心に,膿尿・細菌尿検出における白血球エステラーゼ試験と亜硝酸塩試験が組み合わされたBMテストLN試験紙の臨床的検討を行った.1)尿沈渣白血球数5個/hpf以上に対する尿中エステラーゼ試験の感度は85.3%,特異性67.3%,陰性期待率90.8%および陽性期待率54.7%であった.2)尿沈渣の白血球数の程度に対して尿中エステラーゼ試験の結果はばらつきが大きく,膿尿の微妙な動きを知るには不適当であった.3) 107 cfu/ml以上の細菌尿に対する亜硝酸塩試験の陽性率は52%であった.4)尿中細菌数104 cfu/ml以上の細菌尿に対する亜硝酸塩試験の感度は25.7%,陰性期待率82.9%,陽性期待率は94.8%であった.以上より,本試験紙の尿中エステラーゼ試験は尿路感染症の微妙な膿尿の動きをとらえるには有用ではないが,未治療の典型的な尿路感染症の補助診断としては有用であると考えられたThe value of a simple dipstick test (BMtestLN, Boehringer Mannheim-Shionogi) for determination of leukocytes and bacteria in urine was examined. This test consisted of detection of esterase, an enzyme present in leukocytes and the nitrate reduced by bacteria. A total of 666 clinical urine specimens were tested with both tests. The evaluation of leukocytes in urine was compared with microscopic examination, and the identification and measurement of strains was performed using a semiquantitative plate culture method as a reference. The leukocyte esterase test had a sensitivity of 85.3%, a specificity of 67.3%, positive predictive value of 54.7% and negative predictive value of 90.8%. The range of the sensitivity value of nitrate test was 25.7% for the detection of bacteriuria (bacteria greater than or equal to 10(4) CFU/ml). This test had a specificity of 99.6%, positive predictive value of 94.8% and negative value of 82.9%. We concluded that this dipstick test is not useful for determination of the slight change of pyuria, but sensitive for the determination of acute and untreated urinary tract infections.
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