群馬県における前立腺癌の罹患率,臨床病期,組織学的分化度の推移
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概要
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1985年より群馬県及びその近郊の病・医院における未治療前立腺癌の登録作業を開始し,その資料をもとに,1985~2000年の群馬県における前立腺癌の罹患数,粗罹患率,年齢調整罹患率,年齢別罹患率,臨床病期,組織学的分化度の推移について検討した.群馬県における前立腺癌の罹患数及び粗罹患率(/10万人/年)の推移は,各々1985年には114例,12.0であったものが,2000年には539例,53.9と急激に増加した.年齢調整罹患率(/10万人/年)の推移について,世界人口と1985年モデル人口の両方で年齢調整を行ったところ,世界人口では,1985年に8.3であったものが2000年には24.2に,1985年モデル人口では,各々13.1であったものが36.8と約3倍に増加した.80年代後半に対しての90年代前半,90年代後半の年齢別罹患率の増加率については,年代が進むにつれていずれの年齢層においても罹患率は増加した.各年齢における増加率は,60歳代から70歳代前半の中間の年齢層において高い値を示した.臨床病期では,年代共に病期A,Dが減り,病期B,Cが増える傾向であった.組織学的分化度では,年代によって明らかな分化度別割合の変化はみられなかったProstate cancer is the most common urogenital cancer, and is increasing rapidly. We performed an epidemiological study on prostate cancer in Gunma Prefecture, Japan. Registration of prostate cancer patients diagnosed at clinics and hospitals in and around Gunma Prefecture was started at Gunma University in 1985. The epidemiological characteristics of prostate cancer patients in Gunma Prefecture were analyzed by these data. The incidence and crude incidence rates have increased five-fold, from 114 and 12.0 in 1985 to 539 and 53.9 in 2000, respectively. The age-adjusted incidence rate (adjusted to the world population) was increased three-fold, from 8.3 in 1985 to 24.2 in 2000. The age-specific incidence rate showed an increase with age. The cancers in clinical stages A and D decreased, while those in stages B and C increased. No change in distribution was observed in pathological differentiation. Prostate cancer has increased rapidly during these 16 years in Gunma Prefecture. It is important to perform PSA testing aggressively in males age 50 or older, and detect prostate cancer in an early stage.
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