三世代同居意識と家規範意識に関する研究 : 世代と家族形態からの検討
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概要
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超高齢社会である現在は,高齢者である老親世代が子世代や孫世代とどのような家族関係を構築すべきなのかが模索されている時期でもある。このことに関して本研究は,孫世代となる学生や子世代である母親がどのような三世代同居意識や家規範意識をもっているのかについて検討することを目的におこなった。 三世代同居という家族形態に対する意識を測定するために三世代同居意識尺度を作成して,因子分析をおこなったところ同居肯定意識と同居否定意識と命名できる二つの因子が存在していることが認められた。また,世代や家族形態によって三世代同居意識や家規範意識に差異が認められるのかについて検討した結果では,子世代よりも孫世代の方が,核家族よりも三世代家族の方が三世代同居に対して肯定的な意識を示し,家規範意識も希薄化していないことが認められた。また,核家族という形態では,孫世代より子世代である母親が三世代同居に対して肯定的でなく,人間関係の複雑さや役割を回避したり伝統的な家規範意識にはとらわれたくないといった意識もあることも認められた。さらに,家族形態と親子の家規範意識の相違によってこの三世代同居意識に差異が認められるかを検討した結果では,孫世代の三世代同居意識には家族形態や家規範意識の相違によって差異が認められたが,子世代の三世代同居意識には家族形態による差異のみが認められた。このことから,三世代同居意識には家族形態のあり方や親子の家規範意識の一致度によって差異があると考えられる。
- 2009-12-30
著者
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