多周波ホログラムマトリクスによる結像

概要

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線形アレーを用いた通常のホログラフィク結像系は、良い方位分解能を与えるが、距離分解能が悪く、再生像は距離方向に広がる欠点がある。これを改善するため、著者らは先に多周波ホログラムマトリクス法を提案している。これは、幾つかの周波数で標的のホログラムマトリクスを測定し、各周波ごとに再生された複数個の複素像を数値的に合成して距離分解能の良い結像系を構成するものである。本論文は、多周波ホログラムマトリクス法の基本的結像特性を超音波実験により調べるものである。まず、アレーと標的領域の実験配置に関して、ポイントスプレッド関数の距離方向依存性を解析することにより、良い距離分解能を与える周波数の組み合わせと複素像合成の重みを設計する。理論的に５周波では約２波長の距離分解能が得られる。実験は３周波、５周波について行っている。点標的の再生像を詳細に検討し、ポイントスプレッド関数の理論値と比較している。多数の点標的からなる標的の再生を行い、再生像を示している。実験結果は良好なものであり、ほぼ理論値に一致する距離分解能の改善効果が得られた。
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