観測気球用ポリエチレン・フィルムの開発
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概要
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今やロケット時代にもかかわらず,一見はなはだ間伸びのするプラスチック気球が,実は現在世界各地で年間数百台も科学観測等に放球活用され,欧米では運用,開発の組織も確立されている概況をはじめに述べる.この気球に多用される従来のポリエチレン・フィルムは意外なほど直交異方性が強く,高空の低温下で脆化して破壊しやすい,そこで新しく筆者の着想したフィルム製造時の縦横加工比を考えることにより,等方性に近くまで異方性を改良し得ることを確かめた.ついで低温で必要な二軸延伸性能を向上させるために,低M.I.ポリエチレンに急変形急冷加工を施すと,普通加工のものよりすぐれたフィルムが出来るはずとの予測をたて,それを実現し,定評ある輸入フィルムのそれを凌駕し得たことの解説である.
- 東京大学生産技術研究所,Institute of Industrial Science. University of Tokyo,東京大学生産技術研究所 第2部 気球工学の論文