家庭科教育の実践事例報告にみる「調理実習」の現状と課題
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概要
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調理実習は、家庭科教青の中で長く数多く取り組まれてきた体験学習であり、児童・生徒にとっても有用な楽しい学習である。それは、家庭科の思い出を多くの人が調理実習に見いだすことにも示されている。現状では中学校技術・家庭科をはじめとして、時間数の削減により家庭科の中で調理実習を取り入れることが困難になっており、子どもの生活技術能力の抵下や食体験の乏しさともあわせて、調理実習の取り組みが厳しい状況におかれている。また、小・中学校で2003年、高等学校で2004年度より実施されている新学習指導要領に新設された「総合的な学習の時間」において、「つくって食べる」授業が多く取り入れられているが、このような学習での調理実習と家庭科で行われている調理実習の相違についても検討していく必要がある。一方で、近年子どもの食の乱れに関する問題から栄養教育の必要性が叫ばれるなかにあって、家庭科教育における食教育はどうあるべきなのかが問われており、家庭科で多く取り組まれている調理実習ではこれらの問題にどのように関わっていけばよいのか検討する必要があると考える。そこで、本論では1989年度以降の授業実践事例を分析することによって、調理実習がどのように実践されているのかを考察し、家庭科教育における調理実習の課題を検討することを目的とする。
- 埼玉大学教育学部の論文
埼玉大学教育学部 | 論文
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