発達を中心とした保育学習に関する実践的研究-中学生の振り返りから-
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概要
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家庭科教育では、保育の授業に関する数多くの蓄積がある。とくに、中学校技術・家庭(女子向き)・高等学校家庭一般(女子のみ必修)の時代には、保育は母性の育成と強く結びついた学習として広く実践されていた。近年、家庭の教育力の低下が社会問題としてクローズアップされ、一方で少子化の進展にともなって産む性としての女性の問題が取り上げられる状況において、親教育の見直しが図られようとしている。とりわけ、これまで子どもを育てる観点から取り組まれることの多かった保育学習は、中学校・高等学校家庭科の学習指導要領において重要課題と位置づけられている。さらに、総合的な学習などにおいて体験的な学習の推進が図られる中で、数多くの実践の蓄積がある保育実習は、中学生・高校生にとって乳幼児を理解するために有用な子育て理解教育の学習方法として、推進がはかられている(文部科学省2004)。本研究では、以上のように保育学習が社会的な要請を受け、子育て理解教育として位置づけられる状況下にあって、中学生・高校生が親となるためだけではなく、社会に生きる大人になるために自身の発達について学ぶという視点から、保育を学ぶ意義を再確認する。特に、これまで、あまり重視されてこなかった「人がトータルに発達する」ことを保育学習の中心にすえ、その導入の授業実践における生徒記録をもとに考察を進める。すなわち、中学生が学習を通して「発達するということ」をどのように捉えるかという点から、保育学習において発達を学ぶ意義を検討する。
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埼玉大学教育学部附属教育実践総合センター | 論文
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