20世紀前半期東京における屎尿処理の有料化 : 屎尿処理業者の収益環境の変化を中心に
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概要
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論文本稿では,近代東京において屎尿処理が有料化された過程・要因を明らかにすることによって,近世に成立していたと言われる循環型社会の変化について考察する。これまでの屎尿処理に関する研究は,農村史・農業史的な視点に立って,主に江戸・明治期における屎尿の肥料としての経済的価値,流通経路について論じてきたが,屎尿処理の有料化の過程・要因の詳細には言及されていない。本稿では有料化の開始・拡大の過程を解明し,その背景にあった要因として屎尿処理業者の収益環境の変化を考察していく。 まず,江戸・明治期において経済的価値を有していた屎尿の処理が,大正期以降に有料化され,有料化地域が山の手から下町へと拡大していく過程について,屎尿処理業者や東京市,警視庁の動向を中心に論じる。続いて,屎尿処理が有料化されるに至った要因について,屎尿処理業者の収益環境に影響を与えたと考えられる「人口の増加と農地の減少」,「他肥料への移行」,「平均賃金・物価上昇と屎尿の売却代金の低下」の3 点から考察する。本稿では,東京市の公文書や『都新聞』,『公衆衛生』などの新聞・雑誌記事を資料として用いる。
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