肉眼解剖実習に提供される解剖体のCT画像撮影の試みと期待される教育効果
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概要
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千葉大学では,基礎医学と臨床医学を関連付ける新たな統合的カリキュラムの基盤整備に着手しようとしています。これは,実習前に解剖体(ご遺体)へのCT画像撮影を施し,三次元再構築画像による体内情報(疾患部位等)について,実習を行う医学生に提供するものです。これには,疾患と形態変化の関連性を医学生に意識させる目的が挙げられます。本論では,試験的に行った女性の一例について紹介します。本例では解剖前のCTによって,片側の乳房組織の欠損を示唆する所見が得られました。この画像データをもとに,胸部の解剖を進めていくと,大胸筋の一部が切除されていることが明らかとなりました。このように,あらかじめCT画像撮影を行うことは,体内の状態を予測しながら解剖を進められるため,解剖する側にとって有用な方法といえます。また将来的には,得られたデータを医学生の解剖学教育に用いるだけではなく,医学研究,さらにヒトを対象とした他の研究領域へと汎用性を広げることで,学際的な意義はさらに高まるといえます。
- 2009-10-01
著者
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