雇用差別と労働者のプライバシー --中国におけるB型肝炎ウイルス感染者に対する法的規制を中心に
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概要
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雇用差別に関する法律とプライバシー保護に関する法律は、いかなる関係にあるのか。従来、その二つの法律制度は異なる分野で研究されていた。それらは平等労働権を確保するための重要な法的手段と考えられる。しかし、健康状況による雇用差別に関する法律では、労働者のプライバシーはこれまで長らく重視されなかった。このような法律は平等労働権を十分に保護できるか。差別の規制に役立つのか。本稿では中国における深刻なB型肝炎差別に関わる法律を対象にし、雇用差別と労働者プライバシーの間にはいかなる関係があるかを検討する。比較として、中国の立法に最も影響に与えた「アメリカの障害者法」、特にその中の健診に関する規定について分析する。結論として、労働者プライバシー保護は健康に基づく差別をなくすために不可欠であることを明らかにし、中国における健康雇用差別に関する法律を改善するためには、法律により労働者のプライバシーを保護すべきであるということを示す。
- 千葉大学大学院人文社会科学研究科の論文
- 2009-09-30
千葉大学大学院人文社会科学研究科 | 論文
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