食と農を軸にしたネットワークと地域づくり
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概要
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食農教育は現代社会の食と農に関する状況を問い直す実践としてその意義が注目される。さらに言えば「これからの生き方や社会・産業のあり方を問う学習であり,これらを問うことから社会を作り出す主体を形成する一助を担う」ものであり,まさに地域づくりの主体形成に関わる学習なのである。しかしながら現在実施されている食農教育の多くはそのような学習とはなっていない。地域づくりにつながるような食農教育とはどのようなものなのか。地場産物の豊富な学校給食があり,町内では盛んに農業体験が実施され,さらに食と農を軸にしてネットワークを構築し地域づくりを展開している北海道江別市の事例を分析し,その可能性と条件を考察した。その結果,地域に根ざした幅広く豊かな関係の構築,農業資源の地域資源としての見直し,生活や地域の振り返りの契機を含んだ実践の有無などがその条件として浮かび上がってきた。
- 2009-06-22