教科学習における児童の認知した学習目標
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概要
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本研究では、第一に客観的な学業成績と本人の得意度との関連を検討し、学業成績に関する自己評価の客観性を確認すること、第二に、目標の認知で成績がどのように変わってくるかを明らかにすることを目的として調査を行った。被験者は、沖縄県内のA小学校の6年生を対象とした。その結果、得意度と成績の間に有意な正の相関が見られたことから、得意度の客観性を確認する事ができた。また、いくつかの教科で目標の認知と成績の間に有意な相関が見られ、Dweck(1983)のいう評価目標より学習目標を選択する児童の成績が良いことが本研究でも確認された。次に、成績に影響を与える要因について検討するために、成績を基準変数とする重回帰分析を行った。その結果、得意度が家庭科以外の全教科の成績を規定していた。また、いくつかの教科で、目標の認知が成績を規定していることが分かった。しかし、本研究では、なぜ特定の教科で目標が成績を規定しているのかを追及することができなかったので今後それを検討し、教育実践に活かされることが期待される。
- 琉球大学教育学部の論文