カナダ,ノヴァスコシア州におけるフランス語系住民アカディアンの居住分布と言語使用状況
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概要
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この小論では、カナダ東部ノヴァスコシア州におけるフランス語系住民アカディアンの居住分布と言語使用状況を現地調査とカナダ統計局のセンサスに基づいて検討した。その結果、農村地域に古くから存在するアカディアン・コミュニティでは英語への同化に歯止めがかかっているとはいえない一方で、郁市地域であるハリファクスでフランス語を母語とする人口や二言語話者が増加していることが明らかになった。これまで教育制度の整備などの制度的支援の重要性が指摘されてきたが、カナダの場合、農村地域に古くから存在するフランス語系コミュニティには遅きに失したと言わざるをえない。その一方で、都市地域が少数言語集団にとって必ずしも同化されやすい地域ではなくなりつつあることが示唆された。
著者
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大石 太郎
東京都立大学大学院理学研究科地理科学専攻博士課程
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大石 太郎
琉球大学法文学部
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Oishi Taro
Department Of Geography Faculty Of Law And Letters University Of The Ryukyus
-
大石 太郎
東京学芸大・研
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