扇状地の分布による最終氷期後半の日本の気候と降水量の復元
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概要
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約2万年前の最終氷期最盛期の気温については、雪線・周氷河限界・森林隈界の低下や花粉分析による植生の変化などによって復元され、現在よりも7から8℃程度低かったとされる(貝塚、1977など)。その気温低下は季節で異なり、北日本では夏の5℃低下に対し冬では11℃低下したといったように,冬に著しかったことが指摘されている(Hirahawa,1990)。しかし、冬季の気温と夏季の気温を別個に議論した研究は少ない。当時の降水量については、花粉分析のほか、流水の減少による谷の埋積や内陸砂丘が分布していたことなどから、乾燥していたことが間接的に指摘されている。しかし、降水量が、どの程度少なかったのか報告された例もほとんどない.そのようななかで、寒冷な気候のもとで形成されやすい扇状地について(戸谷ほか、1971)、日本・台湾・フィリピンの気温のほか降水量の扇状地の分布に対する関与の度合が求められている(斉藤、1995)。そのような関係をもとに、本研究では、最終氷期最盛期前後{最終氷期後半}に形成された.立川期(3〜1万年前)の扇状地の分布と、現在とほぼ同じ気候条件の完新世の扇状地の分布を比較して、最終・氷期後半の夏季および冬季の気温、および降水量を推計する。
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埼玉大学教育学部 | 論文
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