内分泌療法が奏効した巨大前立腺癌の1例
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概要
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86歳男。尿閉を来たし, 下腹部に巨大腫瘤を指摘された。CT・MRIで前立腺から連続性のある巨大腫瘤を認め, 大きさは14.1×10.3×14.0cmであった。検査所見で血清PSA値は960ng/mlと高値で, 経皮的針生検を施行したところ, すべての検体から中分化型前立腺癌を認め, Gleason scoreは4+4であった。他臓器に異常所見は認めず, 原発性前立腺癌, T4N0M0, TNM分類stage IVと診断し, Goserelin acetate 3.5mg/月とBicalutamide 80mg/日併用のCombined androgen blockade(CAB)療法を開始した。トランスアミナーゼの上昇でBicalutamideを中止してグルタチオンの内服を行い, トランスアミナーゼ正常化後はChlormadinone acetate 100mg/日に変更してCAB療法を継続したが, 副作用は認めなかった。その後Naftopidil 50mg/日の内服を開始し, 自立排尿が可能となったため退院した。血清PSAは治療開始1ヵ月後に57ng/ml, 3ヵ月後には0.6ng/mlとなり, CT上腫瘤は著明に縮小した。1年経過して再燃はない。
- 泌尿器科紀要刊行会の論文
泌尿器科紀要刊行会 | 論文
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