男性尿道憩室結石の1例

概要

論文の詳細を見る
39歳男。陰茎陰嚢接合部腫脹・排尿時痛が出現し, 血液検査で白血球・CRP高値を, 骨盤CTで尿道海綿体腹側に3.5×2.5cmの石灰化像を認めた。逆行性尿道造影では外尿道口から8cmの振子部尿道腹側に結石を認め, その周囲へ造影剤が流入した。手術を施行し, 腫瘤直上の皮膚切開で膿が噴出し, 内部を生理食塩水で洗浄した。膿瘍周囲は壊死組織で充満しており, 憩室壁および陰茎白膜, 尿道海綿体は同定できなかった。壊死組織を除去すると結石が露出し, 尿道粘膜の一部は外反していた。壊死組織をデブリードマンして開放創とした。摘出結石は3.7×3.0×2.1cmで, リン酸マグネシウムアンモニウムとリン酸カルシウム炭酸塩の混合石であった。なお, 膿培養の結果は陰性であった。1週間後に尿道閉鎖術を施行したが, 術後の逆行性尿道造影で尿道吻合部での造影剤漏出と遠位端壁に弁状組織を認め, 弁状組織切除術を施行した。その後吻合部からの出血を認めたが, 膀胱瘻造設で上皮化が得られ, 術後8ヵ月で異常所見はない。