腎細胞癌術後13年目に発見された膵・十二指腸転移の1例

スポンサーリンク

概要

論文の詳細を見る
52歳男。39歳時に右腎腫瘍にて根治的右腎摘除術を施行され、術後は特に再発・転移の徴候はなかった。今回、起立性眩暈(立ちくらみ)、全身倦怠感を自覚し、貧血、体重減少、便潜血陽性で、上部消化管内視鏡検査を行い十二指腸に腫瘍性病変を認めた。同部位の生検にて低分化腺癌と診断された。画像検査で膵鉤部に腫瘤を認め、CTでheypervascularityを呈していた。十二指腸下行脚から水平脚にかけて浸潤を伴い、上膵十二指腸静脈から門脈本幹にかけて腫瘍塞栓を認めた。また、膵体尾部にも腫瘤を認めた。病理所見より腎細胞癌の膵・十二指腸再発転移と診断し、免疫療法としてIFN投与を予定した。しかし、食欲低下や嘔気が出現し、絶食、輸液管理とした。胃内ガス貯留が著明となり、機械的イレウスのため姑息的に胃空腸吻合術を施行した。術後天然型IFNα投与を開始したが、反復する消化管出血により貧血が進行し適宜輸血を行った。全身状態が悪化したためIFN投与は中止し、悪液質の進行にて癌死した。

著者

関連論文

もっと見る

スポンサーリンク