人体温に關する研究 : 第1報 腋窩体温測定法に就て
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概要
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腋窩体温測定に際し,残に正常人体温に就ては充分なる測定上の注意な要するもので,檢温時間並に檢温方法等に就ては愼重なる考慮が拂はれねばならぬ。依って之等の基礎的條件について諸家の論述せるところを回顧し,之に就て二,三の吟味を行った次第である。併し上述せる所はなほ總てを盡し得たわけではなく,更に幾多の問題とすべき點,檢討すべき事柄があるのであるが,今日は集團檢温に際して必要と思はれる點に就て論じ,且つ余等の勝山に於ける夏季聚落に於ける檢温成績を述べたのである。余等の得た成績は,比較的高体温を示す夏季に於て得られたものであることを考慮に入れても,兒童及び生徒の体温の上限値は15分測定に於ては37℃以上に及ぶことを示すものである。又同時に臨床的に廣く行はれてゐる5分時檢温値と,恒定体温を得るを目的とする集團檢温の15分時測定値との間に多大の差異あることをも明瞭になし得たのである。人体温に關する集團的檢査は數多く行はれてゐるが,必しも同一の條件に依って實施せられてゐない。之は甚だ遺憾とすべきことであり,將來必ず規劃統一せられたる方法が採用さるべきである事は言を俟たない所である。今日迄の諸家の集團檢温の成績は余等の勝山に於ける成績に近きものが多く,此の種文献の記載は後日の報告に讓ることゝする。尚又体温測定に關する基礎的諸條件に就ては,目下當敎室人工氣候室に於て各種の精密なる實驗が行はれてゐるので,近々更に有力なる資料を提供し得るであらう。本編は余等の經驗を基礎に今日迄人体温測定に關する基礎的諸問題に放て檢討せる概要である。新字体抄録:腋窩体温測定に際し,残に正常人体温に就ては十分なる測定上の注意な要するもので,検温時間並に検温方法等に就ては慎重なる考慮が払はれねばならぬ。依って之等の基礎的条件について諸家の論述せるところを回顧し,之に就て二,三の吟味を行った次第である。併し上述せる所はなほ総てを尽し得たわけではなく,更に幾多の問題とすべき点,検討すべき事柄があるのであるが,今日は集団検温に際して必要と思はれる点に就て論じ,且つ余等の勝山に於ける夏季聚落に於ける検温成績を述べたのである。余等の得た成績は,比較的高体温を示す夏季に於て得られたものであることを考慮に入れても,児童及び生徒の体温の上限値は15分測定に於ては37℃以上に及ぶことを示すものである。又同時に臨床的に広く行はれてゐる5分時検温値と,恒定体温を得るを目的とする集団検温の15分時測定値との間に多大の差異あることをも明瞭になし得たのである。人体温に関する集団的検査は数多く行はれてゐるが,必しも同一の条件に依って実施せられてゐない。之は甚だ遺憾とすべきことであり,将来必ず規劃統一せられたる方法が採用さるべきである事は言を俟たない所である。今日迄の諸家の集団検温の成績は余等の勝山に於ける成績に近きものが多く,此の種文献の記載は後日の報告に譲ることとする。尚又体温測定に関する基礎的諸条件に就ては,目下当敎室人工気候室に於て各種の精密なる実験が行はれているので,近々更に有力なる資料を提供し得るであらう。本編は余等の経験を基礎に今日迄人体温測定に関する基礎的諸問題に放て検討せる概要である。
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