On the Vascular System of the Node and the Leaf of Genus Quercus
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概要
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The vascular system of the node and the leaf was investigated on the Japanese species of genus Quercus. Although the nodal anatomy of the Quercus was stereotyped and constant throughout the genus, having trilacunar node with 2/5 phyllotaxis, there were two significant trends of structural specialization of the vascular system of the petiole and lamina. These trends were parallel to the two major types of wood structure of the genus which were indicated by the author in the previous papers.著者は前の報告(7,8)で日本産Quercus属の木材の比較解剖を行い,これらの樹種の間の類縁関係について木材解剖学的性質の立場から簡単な論議を行つたが,今回は引続きQuercus属の解剖学的研究の一段階として葉の維管束組織を第I表に示す樹種について観察を行い,次の様な結果を得た。1 Quercus属の節(node)の部分の維管束の構造は属全体を通じて変化がなく,Fig. 1,a,b,cに示す様に3ケ所の葉隙から夫々1ケ宛の葉跡条が出る所謂trilacunar型を示し,Fig. 1,aに数字で示した様な関係位置で2/5の葉序を示す。2 葉柄及び葉の中肋の維管束の性質によつて日本産Quercus属は二つのグループに分けられる。即ち第一のグループにおいては,葉柄の基部から中肋の先端にかけて維管束の配列はFig. 1,d,e,f,g,h,g,f,iの順を追つて変化し,葉脈の末端の状態はPl. XI,3,4,5に示す様に完全な網目構造をなして遊離脈が存在しない。さらに之等の維管束の導管はPl. XI,8の如く単一穿孔を有する。之に対し第二のグループでは,維管束の配列はFig. 1,d,e,f,g’,h’,g’,f,iの順を追つて変化し,葉脈の末端はPl. XI,6,7に見られる様に樹枝状に分岐して終つており完全な網目構造をなしていない。又之等の維管束の導管はPl. XI,9の如く階段状穿孔を有する。第一のグループにはCyclobalanopsis亜属の全樹種の他にLepidobalanus亜属の中ウバメガシ及びコルクガシが含まれ,第二のグループには前記2種を除いたLepidobalanus亜属の全樹種が含まれる。この2ツのグループの区分は,前の報告で示した木材解剖学的性質による区分と全く一致しており,前の報告で行つた之等の樹種の類縁関係に関する論議は更に一つの裏づけを得た事になる。3 クヌギ及びアベマキは木材解剖学的性質においてはErythrobalanus亜属の型を示し,他のLepidobalanus亜属と判然と区別されたが,葉の維管束の性質では此の様な区別は認められなかつた。今回の観察にはErythrobalanus亜属の樹種を含める事が出来なかつたので,それ等が上記第二のグループとの間に差異を有するかどうかは不明である。(昭和29年11月東京大学農学部森林植物学教室において)
- 東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林,The Tokyo University Forests,Institute of Forest Botany, Faculty of Agriculture, University of Tokyoの論文
東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林,The Tokyo University Forests,Institute of Forest Botany, Faculty of Agriculture, University of Tokyo | 論文
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