旭川医科大学病院における入院診療圏と診療機能の分析
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概要
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本研究は、本院の診療圏を設定、診療圏人口と疾病分類別医療需要の現状と将来動向を分析したうえで、本院の疾病別患者状況からマーケットシェアを検討し、果たしている機能特性の現状と今後の課題を考察することを目的とした。その結果、本院は9市37町5村、人口約80万人におよぶ診療圏を有しており、今後、総診療圏人口は減少する反面65歳以上人口は増加する傾向にある。また、約15,000人の入院需要があり、高齢化を背景に、特に「循環器系の疾患」、「損傷、中毒及びその他の外因の影響」、「神経系の疾患」、「新生物」が増加すると見込まれる。このような地域環境のなか、本院においては「新生物」、「循環器系の疾患」、「眼及び付属器の疾患」、「消化器系の疾患」、「筋骨格系及び結合組織の疾患」の患者を多く取り扱っている。「精神及び行動の障害」を除く一般医療において、単価30,000円以上の中核・高度専門医療需要に対するマーケットシェアは、「周産期に発生した病態」、「妊娠、分娩及び産褥」、「眼及び付属器の疾患」、「皮膚及び皮下組織の疾患」、「先天奇形、変形及び染色体異常」が高く、提供している機能の特徴であると考えられる。今後検討すべき課題として、優位性を維持し、さらに高質の医療、患者サービスを効率的に提供するための投資、成長のための投資が必要な分野と、他との優先度、収支見込みを分析したうえで検討が必要な分野を整理する必要があるといえる。また、関連して病床の再配分、地域連携、手術等の中央診療部門体制、救急、ICU機能に関し、病院のビジョン・方針を踏まえた「中期経営計画」と「アクションプラン」の策定が必要と考えられる。(著者抄録)
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