急性骨髄性白血病に対する骨髄非破壊的前処置による臍帯血移植後voriconazole投与中に発症した肺ムコール症
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概要
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59歳男。患者は2004年9月急性骨髄性白血病と診断され、侵襲性肺アスペルギルス症(IPA)、ガンジダ血症の併発を認めた。Micafungin、amphotercin B(AMPH-B)の投与によって症状は改善し、以後は強力な寛解導入療法により感染症の悪化が危惧されたため移植前寛解導入療法は行わず、2005年1月に骨髄非破壊的前処置による臍帯血移植が施行された。その結果、シクロスポリンを用いて移植宿主病(GVHD)予防を行ったが、IV度の急性GVHDを発症し、ステロイド投与は長期化した。この間、真菌症の増悪を考慮して抗真菌剤をvoriconazole(VRCZ)に変更したが、胸部CTでは両側上葉に斑状のスリガラス陰影が認められた。更に喀痰、便等からムコール目真菌が検出され、肺ムコール症と診断され、AMPH-Bを投与するも喀血を繰返し、患者は最終的に死亡となった。尚、近年、造血幹細胞移植時の真菌感染治療薬としてのVRCZ投与中におけるムコール症の発症例が海外から報告されているが、我が国では同様の報告はほとんどみられていない
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