近世ヨーロッパにおける新世界の表象 : 大陸の寓意像としての犀
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概要
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本論文は,犀の寓意像が近世ヨーロッパ人の新大陸の認識にどのような影響を与えたのかといった点を図像学的側面から考察する。犀の象徴性は,新大陸の擬人像の典型であった「インディアンの女王」が引き連れるアルマジロの象徴性と重なる。それはイメージの連鎖を生み出し,ブラジルやアフリカ,そしてヨーロッパといったそれぞれを象徴する地域の区別も曖昧にする。犀の象徴性は,ヨーロッパとは異なる場所という二極化した構図でとらえられる一方,同時代に海外進出を始めたヨーロッパ自身のあり方をも映し出すのであった。ヨーロッパの人々は非ヨーロッパ世界をどう思い描いたのか,という帝国主義の眼差しの問題は近年精力的に論じられているが,個別の事例による分析はまだ不十分である。個別のテーマに絞って変貌していく眼差しの様相を描くことは,西洋と東洋,文明と野蛮といった二次元的な見方に陥っていた新大陸の表象の研究に学術的意義を与える。
- 2007-06-29
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