先願の抗弁 (1) : 東京地裁平成12年8月31日判決を端緒として
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概要
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特許権の性格を独占排他権であると把握して、特許権の効力として積極的利用権を認める見解がこれまであったが、東京地裁平成12年8月31日判決において、「先願特許実施の抗弁」はその主張自体失当としてこれが明確に否定された。しかし、「先願特許実施の抗弁」とは別に、特許法29条の2に基づく「先願の抗弁」は認めていくべきであり、従前の裁判例で「先願の抗弁」が機能した裁判例を分析した。「先願の抗弁」は公知技術の抗弁と基本的な発想を同じくし、時期的には公知技術の抗弁の補完的な役割を果たすことになる。一方、特許権と意匠権のように異種権利間で抵触が生じている場合は「先願の抗弁」をそのまま適用することはできないが、先願権利者の不利を是正するために別の抗弁を認めるべき余地があり、「手袋事件」を題材としてその検討を行った。
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