在宅高齢者に対する受動的音楽療法の生理的・心理的効果
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概要
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本研究は,在宅高齢者を対象に受動的音楽療法の生理的・心理的効果の検討を目的とした。10分間の音楽聴取(受動的音楽療法)によって生じる生理的・心理的変化が,高齢者のQOL(生活の質)向上に役立つか否かの検討である。実験の所要時間は90分で,リズムと曲想の異なる2種類の曲を各10分間聴取する時間と写真集を見ている10分間の安静時を前後に各20分間の切り替え時間を設定し,順序効果を相殺するようにカウンターバランスを取って12名の対象者に割り当てた。生理指標として前頭部脳波,心理指標としてVisual Analog Scale(VAS)を用いて自覚的感覚を測定した。その結果,生理的変化では穏やかな曲または躍動的曲聴取時に脳波α波パワー値が安静時より高く,リラックス亢進が示唆された。VAS では躍動的な曲聴取は意欲を高める傾向が示唆され,受動(容)的音楽療法は高齢者のQOL 向上に有用と考えられる。
- 2005-12-20