学校体育における「学び」の再検討--状況主義の学習論に依拠して
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概要
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本研究では、学校で展開されている「学び」が、人間の本来的な「学び」との間にどこかズレが生じ、子どもの学ぶ意欲を減退させているのではないかという問題意識のもと、学校体育の「学び」を再検討し、状況主義の学習論に依拠した体育学習論の視点を提示することが目的である。学校体育の「学び」は、「規範的パラダイム」による学習論が支配的であり、「運動目的内容論体育」において、人間の本来的な「学び」である「解釈的パラダイム」の学習論への転換が図られたが、機能的特性の実体化によって、「規範的パラダイム」にとどまるという、理念と実践のズレがみられた。このような問題を打開するには、「どのように文化的に価値の高い経験を組織するか」という理論を実践に移す手続き論が重要になってくる。状況主義の学習論に依拠した体育学習論を構築するためには、運動文化の歴史的発展を促してきた「中心的な活動」である「文化的特性」を導き出すことが重要である。球技においては攻守の2つの目的への志向と、その2つの「遊動関係」の保障が「文化的特性」となり、カリキュラムは特性をはみ出さないことは前提だが、「ゴール・フリー」であること、「文化創造」の工夫の余地を残すため、できるだけ「文化的特性」のもつ「シンプル」さを大切にした授業構成からスタートすることが重要である。
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三重大学教育学部 | 論文
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