Nomen ipsum
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概要
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2005年11月20日、日本西洋史研究会主催により拙著『ローマ帝政初期のユダヤ・キリスト教迫害』(教文館、2003年)を俎上に乗せてのシンポジウムが東京の青山学院大学で開催された。論点開示者三名に割り当てられた時間は計二時間、その後の質疑応答に三時間であったが、著作が扱った題材が多岐に渡っていたためこの程度の時間でも議論を交わせば一日では終わらないとの予想のもと、小プリニウスの『キリスト教書簡』(Ep x.96)第二節に現れるnomen ipsum以下の文言に関する解釈については結論だけに言及し、詳細な議論は最初から避けることにした。筆者は著作で扱った一、二世紀だけではなく、範囲外の三、四世紀にも強い関心を持っているため、議論の焦点を同時に後者の方にも当てて議論してもらえば、この時期の帝政史研究分野では新参の部類に入る著者の方が得るところが多いと考えたからである。幸いシンポジウムは予定の時間内に終了し、しかも古代教会の事情に関して帝政後期の専門家の意見を聞くことができ(これはカトリック教会を、およそ聖なる集団とは無縁のものと捉える性悪説的で確信犯的な、しかし少なくとも真実の一端には確実に触れている個性溢れる卓見であった)、さらには暫定的ながらもこの点に関する管見もおおよそのところ開陳することができ、大会主催者の多大な努力が実った形となったことは喜ばしいことであった。
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