富士山麓における野島式期縄文土器の様相
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概要
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縄文時代早期後半の野島式期における縄文土器広域編年網の構築を推進する上で、富士山麓周辺、中でも駿河湾や相模湾に面した静岡県東部の駿豆と呼ばれる地域に分布の中心を持つ土器群に対して検討を加え、その年代的序列を定めることは、必要不可欠な作業といえる。しかしながら、当該地域は良好な層位事例に恵まれず、地域独自の土器編年研究を進めることが困難な状況にある。そこで、本論ではまず、これまでの研究史を辿ることで今日的な問題点を抽出する。そして、関東の土器編年に準拠しつつ、駿豆地域の当該期土器群を主要遺跡単位で概観し、その様相把握に努めた。その結果、関東の子母口式から野島1 式・2 式にかけての時間軸の中に当該地域の土器を位置付けることができた。また、関東の土器とは異質な土器様相も浮かび上がることとなった。本論を、これまで確たる地域独自の型式を持たぬままに語られてきた土器群に対して、新たに型式名を設定する端緒としたい。
- 千葉大学大学院人文社会科学研究科の論文
- 2006-09-28
千葉大学大学院人文社会科学研究科 | 論文
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