日本産アカイエカ群の幼虫期間について
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概要
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アカイエカ群を構成している蚊の中で,日本に分布するアカイエカを網走,徳島,長崎,鹿児島から,ネッタイイエカを沖縄から,チカイエカを長崎から採集して実験室系統を作り,温度条件を変えて1令より飼育して発育期間を比較した.すべての系統において水温14~29℃の範囲では温度が高くなるに従って発育期間は短くなった.網走系のアカイエカは四国,九州産のものより発育期間が長かった.ネッタイイエカは四国、九州産のアカイエカと発育期間はほぼ同じであった.しかし,チカイエカの発育期間はアカイエカのいずれの系統よりもあきらかに長いことがわかった.推定された幼虫の発育零点はチカイエカがアカイエカやネッタイイエカに比べわずかに高かった.The developing period and the developmental zero were compared among the members of the Culex pipiens complex in Japan. The larval period of all members became shorter with raised water temperature in the range from 14 to 29℃. This period in northern strains of Cx. p. pallens tended to be longer than in southern ones, and Cx. p. quinquefasciatus needed the same developing period as Cx. p. pallens in southern Kyushu. However, the developing period and the developmental zero of Cx. p. molestus were apparently different from those of Cx. p. pollens or Cx. p. quinquefasciatus.
- 長崎大学熱帯医学研究所の論文
- 1988-06-30
長崎大学熱帯医学研究所 | 論文
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