1. The Natural Remanent Magnetism of Volcanic Racks and Its Relation to Geomagnetic Phenomena
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概要
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地殼を構成する岩石の磁氣的諸性質は,斷片的には古くから多くの人々によつて測定されて來た.特に火山岩が野外に於ける自然状態に於いて保持する殘留磁氣はMelloni. Folgheraiter, Mercanton, Konigsberger,中村淸二博士,松山基範博士等によつて屡々測定され,この自然殘留磁氣は火山岩が噴出後,徐々に冷却する際に地球磁場の影響によつて帶磁し,その帶磁の一部が殘留するのである事がほゞ明らかになつた.從つて火山岩の自然殘留磁氣に關する殆んどすべての研究は,その帶磁方向の決定から,火山岩噴出當時の地球磁揚の方向を求めんとする事に向けられて來た.然し,火山岩の自然殘留磁氣の一つの著しい特徴は,その強さが同一岩石の地球磁場内に於ける誘導磁氣の強さに比して一般に著しく大きいといふ事實である.從つて岩石の自然殘留磁氣は何等かの特殊の事情の下に生成されると想像される.この點に關しては,僅かにKonigsbergerの研究があるのみであつて,火山岩の自然殘留磁氣生成の物理學的機構は未だ明瞭でない.他方,地球磁氣學の發達に伴ひ,地球磁場の局部的異常と地殼構造との關聯が次第に明らかになリ,將來他の諸種の地球物理學的方法の併用と相俟つて,地表に於ける地球磁力分布及びその變化の測定結果から地殼構造をある程度迄明瞭に推定し得る可能性が増して來た.この場合に地殼を構成する諮岩石の磁氣的性質の知識が問題の根底を爲す可きは論を侯たないが,Reich. Konigsberger等の一部の地球物理學者を除いては,從來磁力探礦に於ける習慣の延長として,主として岩石の帶磁率のみが問題とされて來た.この場合比較的強大な火山岩の自然殘留磯氣を充分考慮する必要が當然考へられる.特に火山地城に於ける,火山活動に伴ふ地球磁場の異常變化の解釋に當つては,自然殘留磁氣の發生及び消滅を主要原囚の一つとして擧げる可きであらう.上述の如き要請によつて,この研究に於いては岩石學的,化學的性質の明らかな多くの火山岩に就いて,先づ一般的な磁氣的諸性質を吟味し,然る後主として自然殘留磁氣の諸性質を確める可き諸種の實験を行つた.本論文各章の内容の概略は次の如くである.
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