<資料>教育臨床における機会利用型指導法の展開と適用 : 不登校中学生への介入例を通して
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概要
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機会利用型指導法は個人の生態学的な強化随伴性を考慮したアプローチであることから、不連続(discrete)型の訓練法に比べ、般化と維持に優れた効果があることが示されてきた。それにもかかわらず、学校教育全般に渡って、社会的スキル訓練や構成的グループエンカウンターなどのような、不連続型の訓練法と共通する問題要素を持つ臨床指導の方法が盛んに導入されている状況がある。このため、選好性(preference)を初めとして、環境と個人の機能分析を徹底し、これに基づいて、1対1の刺激性制御を強めるような不連続型のカウンセリング(2者モデル)ではなく、より自然な強化随伴性を考慮して、他者を介在させる仲間モデリング法(3者モデル)、カウンセラーによる刺激性制御のフェイディングなどの手続き等によって従来の機会利用型指導法を再構成する議論を展開した。さらに、この観点に基づいて、小学校4年時より登校行動に不安を示し、不登校になった中学2年女子生徒に介入を行い、週1日の相談室登校から始めて、ほぼ半年後には週5日の登校行動を形成することができ、1年半後には全日制の公立高校に入学し、全日通学が可能となった。以上の結果から、指導者の強い刺激性制御の影響を最小限にするために、子育てと教育の場での新しい機会利用型指導法の導入の必要性が示唆された。
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