ネパール産普通ソバの植物体からのカルス形成及び色素発現について
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概要
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中部ネパール山岳地帯より導入した普通ソバ(Fagopyrum esculentumMOENCH)の赤色花個体の選抜後代系統を供試材料として,生育ステージや異なる部位の外植片を用いて組織培養を行ない,カルスの形成や不定根の誘導について検討した。 また,形成されたカルスが条件によっては赤色色素を発現したので,特にホルモンの添加条件と発色との関係についても検討を試みた。 基本培地としてはMS培地を用い,BA及び2,4-Dの両ホルモンを添加して培養を行った結果,カルスの形成率では各1.0mg・1のBAと2,4・Dの培地で最も高く,また外植片のステージについては,播種後7日目の幼植物の子葉片あるいは胚軸片がカルス形成にとって適した材料であることが明らかとなった。 また,不定根の形成率では両ホルモンが各々0.1mg・1のようなホルモンの比較的少ない条件で高い傾向を示し,部位別にみると葉片で好結果が得られた。生育ステージによる不定根形成率の差異は殆どみられなかった。 カルスの赤色発現の程度は,培地のホルモンの添加量によって差異を生じ,BA及び2,4・D各々2.0mg・1では赤色発現は認められなかったが,両ホルモンが1.0mg・1の場合に最も強い赤色を発現した。
- 信州大学農学部の論文
- 1991-07-25
著者
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