高齢者の過活動膀胱-加齢膀胱の基礎と治療上の留意点-
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概要
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高齢者における膀胱機能の変化(加齢膀胱)として、過活動膀胱と排尿筋収縮力低下が挙げられる.加齢膀胱の発症には膀胱平滑筋、知覚求心路、遠心路そして中枢神経系における加齢に伴う変化が関与している.治療では高齢者の過活動膀胱には多尿や夜間多尿、ADLの低下など下部尿路以外の因子が関与している可能性を念頭に置くことが重要である.また、高齢者では薬剤代謝機能低下があることから、抗リン薬の投与は必要最小限に止めて、生活指導や行動療法を取り入れる.そして抗リン薬の投与に際しては潜在的な排尿筋収縮力低下や中枢神経系への副作用に注意して、治療にあたることが重要である.