移行諸国の抱える問題点 : 体制転換後16年
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概要
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赤川元章教授退任記念号第2次大戦後ソ連型社会主義体制下におかれた東欧諸国では,1989年末社会主義体制から資本主義体制への大転換が平和的手段により政治面および経済面において急速に進められた。政治面では共産党一党独裁体制から民主主義体制へと「移行」した。経済面では私有化政策,安定化政策,自由化政策を通じて指令経済から市場経済へと移行した。ハンガリー共和国およびチェコ共和国の例をあげ,第1に移行への道のりを示し,第2に移行後の問題点を経済面から指摘する。その中でも特にFDI に焦点をあてる。第3に現在の問題点を政治面および社会面から指摘する。このように移行諸国が抱えている問題点を体制全体の転換として捉えることにより移行の意味を考えていく。移行諸国の現在の問題点を見ていく場合に経済面だけでは見えない部分が大きい。社会面,政治面からみると,約3人に1人が不安・不満を持っている現状から,移行諸国において貧富の格差増大の問題にどのように対処していくかが最大の課題である。
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