再販売価格維持行為の「古典的仮説」再考(I) : 「古典的再販理論」の適用可能性と限界
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概要
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商学部創立50周年記念 = Commemorating the fiftieth anniversary of the faculty論文本稿は,拙稿(2006b)で再定式化された20世紀前半の再販売価格維持行為(RPM)に関する経済理論(「古典的RPM 理論」)の枠組みに基づき,20世紀後半に生起した「諸仮説」(すなわち「小売カルテル仮説」「カルテル仮説」「二重マージン仮説」「小売店舗仮説」「スペシャル・サービス仮説」)を再吟味することを主要な目的としている。その前半部である[Ⅰ]では「古典的RPM 理論」の文脈上にある1960年代の幾つかの論争を発見・検討することで,「古典的RPM理論」の適用可能性と限界が明らかにされる。そのうち特に重要なのは「古典的RPM 理論」が書籍再販制度を考える上で(現在でも)有効な理論であること,そしてTelser(1960)及びBork(1966)によって「小売カルテル仮説」が批判され,製造業者が主体的にRPM を採用する可能性が提示されたことである。本稿はこうした1960年代のRPM 論の動向を踏まえつつ,同時期に生起した諸仮説を1910年代以降連綿と続くRPM 論の知的発展の文脈上に位置づけるという学説史・理論研究である。以下の前半部[Ⅰ]では1960代までのRPM 論の主要な論争が概観された後,上記諸仮説のうち「小売カルテル仮説」及び「カルテル仮説」について論じられる。
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