Gordon Pask会話理論の現代的意義 : ネオ・サイバネティクスの拡充に向けて
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概要
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本稿は,英国のサイバネティシャンGordon Paskによる会話理論とそのシステム観が,現在のサイバネティクス研究にどのような理論的貢献を果たしうるかを検討する。本稿では,オートポイエーシス理論を含む新世代のサイバネティクスを「ネオ・サイバネティクス」と呼び,Paskをその主導的理論家の一人として位置づける。Pask理論の要諦は「有機構成的自律性」と「情報的開放性」の両概念にある。前者はネオ・サイバネティクスの中心概念の一つであり,後者は旧来のサイバネティクスが示す情報観からの転換を示す概念である。この両概念を援用した会話理論を検討することにより,ネオ・サイバネティクス(もしくはラディカル構成主義)が経験研究へと応用されるために必要な理論枠組を構築するための一助とする。
- 情報文化学会の論文
- 2010-12-15