低死亡率諸国におけるHeligman-Pollard死亡率拡張モデル
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概要
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近年の特に壮年期の死亡率の著しい低下により壮年期から高齢期にかけての死亡率の形態が変化してきた。また,公表資料は,最近の精度の向上により先進国のほとんどで高齢の100歳あるいはそれ以上まで記載されるようになった。死亡率の数式表現の1つとしてHeligman-Pollardモデル(HPモデル)があるが,これは一般に年齢区間(0-85)に適用できるものであり,南條他(1999)によって高年齢の100歳まで適合できるモデルへ拡張された。本稿ではさらに精査し,高齢期を表現する項の見直し,また,壮年期を表現する項の低年齢層での無効化,さらに壮年期と高齢期における適合時の手法を改良した(HPEモデル)。適合性を確認するために日本を含む低死亡率国から任意に8カ国を選択し,それらの1980年と2000年の男女についてモデルへの適合性を調べた。1980年については男性の6カ国ではHPモデルでも適合できたが,他の2カ国と女性のすべてはHPモデルでは適合できず,HPEモデルが適合した。2000年については男女共にすべてがHPEモデルのみが適合した。また,パラメタの年次推移も比較的スムーズであり,試みとして日本人女性について多変量自己回帰モデルを用いてパラメタの補外をおこない,これにより将来の死亡率を推計した。
- 日本人口学会の論文
- 2007-11-30
著者
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