大腿骨顆上骨折後に生じた異所性骨化に対し超音波検査に基づき関節可動域訓練を実施した一例
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概要
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【目的】大腿骨顆上骨折後に生じた異所性骨化に対し超音波検査に基づき関節可動域訓練を実施した症例を経験したので報告する。【方法】対象は大腿骨顆上骨折と診断された60歳代女性である。術後,膝蓋骨上内方に認めた腫瘤に対して超音波検査を実施した。【結果】術後1ヵ月の単純X線検査では骨化を認めなかったが,超音波検査では高エコー像と低エコー像が混在する血腫であり仮骨形成を認めた。この血腫は大腿骨と内側広筋の間隙にある大腿前脂肪体に存在し内側広筋との癒着を認めた。術後2ヵ月の単純X線検査では骨化が明瞭となり,超音波検査では大腿骨との連続性を認め内側広筋との癒着は剥離されていた。関節可動域訓練は中断せず,膝関節屈曲155度と治療成績は良好であった。【結論】異所性骨化に対する超音波検査は,異所性骨化の発生部位と進行過程の把握が可能であり,関節可動域訓練の適否や方法を決定することが可能であった。
- 2014-06-20
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